和久のスープの秘密をちょっとだけ公開!
一般的なラーメンスープとは全然製法が違います。
気になったあなたは相当なラーメンマニアです。
ではいってみましょう。
一般的なスープ
ラーメンのスープというと、メインの材料は一般的に鶏ガラや豚の大腿骨(げんこつ)でできています。
そこに匂い消しの香味野菜(主に長ネギ、にんにくなど)を入れて、最後に煮干しや昆布などの乾物を合わせて完成です。
そして基本的には使い切りです。
その日に作ったスープはその日で終わり。その日に作ったスープが一番フレッシュでおいしい。
これが一般的な作り方です。
和久のスープ
まず材料が大きく違います。
ベースの材料は
玉ねぎ
です。
さらにほかの根菜とあわせ、そこに鶏ガラやげんこつを入れます。
いわゆる動物系スープがベースではなく、野菜をベースにして作ります。
ですので鶏ガラや豚骨からでる脂は少なく、かつ甘みと深いコクがでます。
野菜だけではやはり深みが出ないので、そこをカバーするようにガラや豚骨をいれています。
しかしこれだけでは和久の味はでません。
スープを漉し、さらに寸胴で火入れしながら寝かし、それを使い切る前に新しいスープをどんどん足していきます。
さながらウナギのたれのような感じです。
スープを寝かすラーメン屋はなかなかないと思います。バンコクではうちだけではないでしょうか。
ちょうどカレーの2日目が旨いように、寝かせることによって丸みと深みがでます。
これが和久のスープベースです。
熟成醤油そばの名前はここからきています。
スープを取っていきなりラーメンとして合わせても、この味はでません。寝かせることによって深いコクが出てきます。
かなり時間と手間のかかるスープです。
ですのでスープが若い(熟成されてない)状態だと営業できないので、熟成されたスープがなくなってしまいそうならその日の営業はストップします。
色が濃い
よく言われますが、色が真っ黒でしょっぱそう!
実はこれ、醤油の黒さではなくて、スープが熟成してくると黒くなってくるんです。
もちろん醤油の黒さはありますが、それ以上にスープの色だと思ってください。
ですので見た目ほどしょっぱくはないですし、色が黒いほど落ち着きのある味になってます。
ただこの熟成加減はなかなか調整が難しく、安定的に出すのが難しいです。
なのでこれは他店が真似しようとしてもかなり難しいと思います。
これが和久の最大の特徴であり、ほかの店では食べられないものを提供できていると思っています。
タイでは難しい?
うちのスープのように、特殊な技術や経験が必要、というやり方はタイではあまり好まれていません。
それはビジネスとしてもそうですし、お客さんからしてみても味がぶれるというのは好まれません。
よく言われるのが、タイ人にそこまではできない、勝手にレシピを変える、味がバラバラになる。など。
しかしそれを嫌がっていては、前に進まないですし、タイで働く外国人としてはどうかと思います。
タイ人に技術を教え、働く場所を提供するのも外国人がタイにいることの役目だと思ってます。
マニュアルを作り、誰でも同じようにできるようにする。
前職でもそれは大事にしてきた部分であり、そこを優先的に進めていました。
多店舗展開を考えると、必ず優先させる部分です。
しかし自分でやるとなると話は別です。
店を展開したいだけであれば、リスクをとってまで独立はしません。
まして展開できるシステムを自分で全て決めて作っていたので、どれぐらい重要なのかはすごくよくわかります。
しかし自分がいいと思うもの、やりたいこと、それを実現したいために独立しました。
チェーン展開を考えない店づくり。
今はまだその先はあまり見えてないですが、もし見えてきたなら面白いんじゃないかと思ってます。